ギャンブル依存症は孤独になりやすいです。
これは、ただ一人でパチンコ屋に行くという意味ではありません。友達といても、恋人といても、家族が近くにいても、頭の中だけがホールに持っていかれる。そういう孤独です。
昔の僕は、まさにそんな状態でした。誰かと一緒にいるのに、心のどこかでは「早く切り上げて打ちに行きたい」と考えていました。今思えば、かなり危ないところまで来ていたと思います。

ギャンブル依存症は孤独になる
パチンコやスロットにハマっていた時、僕はいつも独りでした。
もちろん、物理的に一人だった日も多いです。休みの日に予定を入れず、ホールへ行ける時間を残しておく。誰かに誘われても、心の中では「その時間があれば打てるのに」と考える。そんなことが増えていきました。
でも本当にきついのは、誰かと一緒にいる時まで独りになることです。
友達と遊んでいても、彼女と一緒にいても、頭の中では昨日の負け、今日の台、明日の軍資金を考えていました。会話をしているようで、半分は聞いていない。笑っているようで、心の奥では「早く終わらないかな」と思っている。
こうなると、周りに人がいても孤独です。自分から大切な人を遠ざけているのに、そのことに気づけませんでした。
友達や恋人より、ホールを優先し始めた
昔は友達と遊ぶのが普通に楽しかったです。恋人と一緒にいるだけで満たされていた時期もありました。
それなのに、いつの間にかパチンコやスロットの刺激の方が強くなっていました。
友達と遊ぶ約束があっても、集合前に少しだけ打つ。予定が早く終わったら、その足でホールへ行く。キャンセルになったら、残念より先に「打ちに行ける」と思う。
この感覚、心当たりがある人は少なくないと思います。
怖いのは、最初は「ちょっとだけ」のつもりなことです。でも、そのちょっとが増えると、生活の中心が人間関係ではなくギャンブルになります。友達も恋人も家族も、自分の中で優先順位が下がっていく。
その時点で、もう孤独は始まっていました。
勝った話はするのに、負けた話は隠す
僕は勝った時だけ、少し武勇伝みたいに話していました。
「昨日8万勝った」
そういう話はできる。でも、負けた話はできませんでした。何万円も負けたこと、借りたお金を溶かしたこと、約束の前に打ちに行っていたこと。そういう都合の悪い部分は隠すようになります。
勝ちは話す。負けは隠す。
これを始めると、周りとの距離が一気に開きます。自分の本当の状態を誰にも見せられないからです。
表面上は普通に会話していても、心の中では「バレたら終わる」「また呆れられる」「説教されたくない」と考える。すると、相談する前に嘘をつく。嘘を守るために、さらに距離を取る。
孤独になるというより、自分で孤独な場所へ逃げ込んでいく感じでした。
予定を壊し始めたら危ないサイン
僕が特に危なかったと思うのは、予定よりパチンコを優先し始めたことです。
- 友達との予定を早く切り上げたくなる
- 恋人との時間中も台のことを考える
- 休みの日に予定を入れたくなくなる
- 約束の前後にホールへ寄る
- 負けを取り返すために、さらに一人の時間を作る
このあたりが出てきたら、かなり黄色信号だと思います。
「誰にも迷惑をかけていない」と思いたくなります。でも実際は、少しずつ迷惑をかけています。約束の時間、会話の集中、家族への態度、お金の使い方。目に見えにくいところから壊れていきます。
そして一番怖いのは、自分でもそれを正当化し始めることです。
「昨日負けたから今日取り返さなきゃ」
「昨日勝ったから、少し負けても大丈夫」
「今月だけ。次でやめる」
こういう言い訳が増えた時、僕はもう自分一人では止まりにくくなっていました。
孤独を抜け出すために最初にやること
孤独を抜け出すために、いきなり人生を全部変える必要はありません。まずは、隠している状態を一つ減らすことです。
おすすめは、次の3つです。
- 直近でいくら負けたかをメモする
- 次に打ちたくなる予定や時間帯を書く
- 一人で抱えない相手や相談先を決める
この時、「もう絶対に一生打たない」と大きく誓うより、「今日だけホールに行かない」と決める方が現実的です。
消費者庁も、ギャンブル等依存症について、のめり込みで日常生活や社会生活に支障が出ることがあり、適切な治療や支援で回復は可能だと案内しています。自分だけで根性論にするより、相談先や支援につなげる方が立て直しやすいです。
家族や恋人に話す時は、責められる覚悟よりも準備がいる
孤独を抜け出すために、家族や恋人へ打ち明けるのは大事です。ただ、勢いだけで「もう無理」「助けて」と投げると、相手も受け止めきれません。
僕が伝えるなら、今は次の3つを紙に書いてから話します。
- いくら負けたのか
- 借金や支払いがあるなら、残高はいくらか
- これから自分で何を変えるつもりなのか
特にお金の管理をお願いしたい場合は、「管理して」だけではなく、「カードを預けたい」「給料日に使う分だけ現金で持ちたい」「返済予定を一緒に見てほしい」くらい具体的にした方がいいです。
大切なのは、相手に全部背負わせることではありません。自分が逃げないために、見える場所へ問題を出すことです。
打ち明けた瞬間にすべて許されるわけではないし、信頼がすぐ戻るわけでもありません。でも、隠したまま打ち続けるよりは、そこからやり直せる可能性があります。
今日だけでいいから、孤独を深くしない行動を選ぶ
ギャンブル依存症は孤独を深くします。だから、今日やることは「完璧にやめる」よりも「孤独を深くしない」に寄せた方が動きやすいです。
たとえば、今日だけ次のどれかをやる。
- 財布に入れる現金を減らす
- ホールの前を通らないルートで帰る
- 打ちたくなった時間をスマホにメモする
- 家族や友人に「今日ちょっと危ない」とだけ送る
- 借金があるなら、返済額と残高を一度だけ見る
小さい行動に見えるかもしれません。でも、孤独の中でぐるぐる考えているだけだと、最後は「少しだけ打つか」に戻りやすいです。
一つでも外に出す。数字にする。誰かに言う。これだけで、次の負けを止める確率は上がります。
借金があるなら、孤独はさらに深くなる
ギャンブルの孤独は、お金の問題が絡むと一気に深くなります。
負けたことを隠す。借りたことを隠す。返済が苦しいことを隠す。すると、誰にも本当の話ができなくなります。
僕の場合、一番効果があった禁パチ対策は債務整理でした。きれいごとではなく、お金を借りにくくなったことで、打ちに行く頻度も一回に使う額も落ちました。
もちろん、債務整理をすれば全部解決という話ではありません。でも、借金で詰みかけているなら、精神論だけで耐えるより、現実の逃げ道を作る方が大事です。
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一人で戦うほど、ギャンブルは強くなる
昔の僕は、パチンコもスロットも「遊び」だと思いたかったです。
でも、友達よりホールを優先して、恋人との時間にも集中できず、家族にも本当のことを言えなくなっていたなら、それはもうただの遊びではありませんでした。
ギャンブルは、一人で抱えるほど強くなります。誰にも言えない負け、誰にも見せられない借金、誰にも話せない焦り。その全部が、またホールへ行く理由になります。
だから、まずは一つだけ外に出してください。
負けた金額でもいい。打ちたくなる時間でもいい。借金の残高でもいい。家族に全部言えなくても、メモに書く。相談窓口を見る。関連記事を読む。そこからでいいです。
僕もまだ完璧ではありません。スリップもしました。借金もあります。
それでも、孤独なまま打ち続けるより、少しずつでも人のいる方へ戻りたいと思っています。
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孤独に気づけたなら、まだ戻れます。少なくとも、僕はそう信じてやり直しています。
