朝から長時間働いて、19時にようやく仕事が終わる。
本当なら、そのまま家へ帰って、ご飯を食べて、風呂に入って、身体を休める時間です。
でも以前の僕は、仕事が終わるとパチンコ店へ向かっていました。
「少しだけ打って帰ろう」
そう思って入ったはずなのに、家に着くのは日付が変わるころ。そこから食事と風呂を済ませ、寝るのは2時。翌朝はまた6時に起きて仕事へ行っていました。
仕事帰りのパチンコをやめるには、店内で我慢するのではなく、入店する前の流れを変える必要があります。
この記事では、仕事帰りにパチンコへ行っていた僕の生活をもとに、19時からの帰宅ルート、所持金、夕食、打ちたい衝動への対処を具体的にまとめます。
今日の目標は、一生やめることではありません。仕事が終わったら、パチンコ店へ入らず家まで帰ることです。
以前の僕は「仕事が終わったらパチンコ」が一つの予定になっていた
当時の一日は、次のような流れでした。
| 時刻 | 以前の行動 | 本来必要だったこと |
|---|---|---|
| 6:00 | 起床 | 十分な睡眠を取った状態で起きる |
| 〜19:00 | 仕事 | 仕事後に頭と身体を休める |
| 19:00以降 | そのままパチンコ店へ | 帰宅、夕食、風呂 |
| 0:00ごろ | 帰宅 | すでに眠る準備を終えている |
| 2:00 | 就寝 | 翌朝に備えて睡眠中 |
仕事で疲れているのに、さらに閉店近くまで打つ。帰宅後は遅い時間に食事をして、睡眠は約4時間でした。
当時は、パチンコへ行くかどうかを毎日改めて決めているつもりでした。
でも実際には、仕事が終わる、いつもの道を通る、店の看板を見る、駐車場へ入るという流れが、ほとんど一つの習慣になっていました。
睡眠や体重への影響と30日間の記録方法は、次の記事で詳しくまとめています。
禁パチ30日で何が変わる?|お金・時間・睡眠・生活満足度を記録する方法
仕事帰りに行きたくなるのは、意志が弱いからだけではない
厚生労働省は、職場や家庭でのプレッシャー、不安や焦りなどから、ギャンブルへ頼るようになり、依存が始まる場合があると説明しています。
ギャンブルは、その瞬間だけ仕事や借金のことを忘れさせてくれることがあります。
ただ、ほどほどにできなくなると、睡眠、食事、お金、家族との時間を代わりに失います。
仕事帰りは、次の条件が重なりやすい時間です。
- 一日の疲れとストレスがたまっている
- 家へ帰っても楽しみがないと感じる
- 財布やキャッシュカードを持っている
- いつもの店が帰宅ルートにある
- 閉店までなら長時間打たないと思える
- 前日の負けを取り返したい
だから、「今日は絶対に行かない」と考えるだけでは足りません。
疲れて判断が揺らぐ時間に、店へ入りにくい環境を先に作る必要があります。
まず、自分の「引き金」を書き出す
久里浜医療センターの標準的治療プログラム「STEP-G」では、ギャンブルを思い出し、再開するきっかけを「引き金」として扱っています。
対処の基本は、次の3つです。
- 引き金を特定する
- できる限り引き金から離れる
- 別の方法で対処する
久里浜医療センター「標準的治療プログラム ギャンブル障害 STEP-G」
仕事帰りの場合は、「疲れた」という感情だけが引き金とは限りません。
| 引き金 | 頭に浮かぶこと | 先に決める対策 |
|---|---|---|
| 仕事が終わった解放感 | 少しくらい楽しみたい | 帰宅後の楽しみを一つ用意する |
| 店の看板や駐車場 | 今日は出ているかもしれない | 店の前を通らない道へ変更する |
| 財布の現金 | この金額だけなら大丈夫 | 必要な分しか持たない |
| 新台や出玉情報 | 確認だけしたい | 通知、アプリ、関連アカウントを外す |
| 前日の負け | 今日こそ取り返す | 負け額と借金残高を現実の数字で見る |
引き金が分かれば、「強い気持ちを持つ」ではなく、「看板を見ない」「現金を持たない」のように行動へ変えられます。
仕事帰りのパチンコを止める7つの対策
1.店の前を通らない帰宅ルートに変える
一番先に変えたいのは帰宅ルートです。
STEP-Gでも、避けられる引き金への対処例として「道を変える」「店舗に行かない」が挙げられています。
5分や10分遠回りになっても、店へ寄って5時間失うより短いです。
- カーナビから店の履歴を消す
- 電車なら店がある出口を使わない
- 店の前を通らない道路を固定する
- 帰宅ルート上のATMも避ける
毎日違う道を考えるのではなく、「仕事が終わったらこの道」と一つに決めます。
2.打てる金額を持って仕事へ行かない
店の前まで来て、財布に数万円あれば、「少しだけ」が始まりやすくなります。
STEP-Gでも、環境を変える方法として「お金を持ち歩かない」が紹介されています。
- 仕事に必要な現金だけを持つ
- 使わないキャッシュカードを持ち歩かない
- キャッシング枠を見直す
- 給料日に先取りで別口座へ移す
給料日には、仕事が終わる前に固定費、返済、生活費を分けておくと、口座残高をすべて自由に使えるお金だと考えにくくなります。
ただし、日常生活や災害時に必要な支払いまで不可能にする必要はありません。自分の生活に合わせて、ギャンブルに使える余分なお金だけを遠ざけます。
3.仕事が終わる前に、夕食を決める
帰宅後の予定が空白だと、パチンコが一番分かりやすい予定になります。
夕食を決めておくだけでも、「今日は何をしよう」から「これを食べて帰ろう」へ変わります。
- 家にすぐ食べられる物を用意する
- 帰りに買う物を昼休みに決める
- 家族と食べる時刻を決める
- 作るのが難しい日は無理をせず惣菜を使う
禁パチ初日から、完璧な自炊まで始める必要はありません。まず深夜0時の食事を、もう少し早い時間へ戻すことを優先します。
4.仕事終了から帰宅まで、誰かとつながる
一人になると店へ向かいやすいなら、仕事が終わった時に短い連絡を入れます。
- 「今から帰る」と家族へ送る
- 帰宅後に友人とゲームや通話の予定を入れる
- 自助グループや相談先へつながる
- 打ちたくなった時に連絡できる人を決める
STEP-Gでも、強い欲求が出た時に、相談できる人へ電話して話を聞いてもらう方法が紹介されています。
5.パチンコ情報を仕事中に見ない
新台情報、出玉データ、SNS、動画を見れば、仕事が終わる前から頭の中では入店が始まっています。
- 店舗アプリを削除する
- LINEやプッシュ通知を止める
- 関連アカウントのフォローを外す
- ブラウザのブックマークと履歴を消す
情報を見ても行かない練習より、最初は情報そのものから離れる方が行動を単純にできます。
6.打ちたい気持ちが弱まるまで時間を稼ぐ
STEP-Gでは、ギャンブルへの強い欲求は波のように高まり、その後弱くなり、多くの場合は数分間で、一時間以上続くことはまれだと説明されています。
店へ行きたい気持ちが出たら、すぐに結論を出さず、次の行動で時間を稼ぎます。
- 店と反対方向へ移動する
- 水か食事を取る
- ゆっくり呼吸する
- 誰かへ連絡する
- 20分だけ別のことをする
20分後も打ちたいなら、もう一度20分延ばします。「一生我慢する」ではなく、店へ入る判断を先送りします。
7.帰宅後の楽しみを小さく用意する
仕事と睡眠だけの生活では、パチンコの代わりがありません。
久里浜医療センターのプログラムでも、ギャンブルをやめた後に何も用意せず退屈になると、再びギャンブルへ戻る危険が高まると説明されています。
大きな趣味でなくて構いません。
- 漫画を一話読む
- アニメを一本見る
- 好きな音楽を聴く
- 10分だけ散歩する
- 風呂に入って早く寝る
19時からの帰宅スケジュールを先に決める
次は一例です。通勤時間や家族構成に合わせて前後させてください。
| 時刻 | 帰宅する日の行動例 | 目的 |
|---|---|---|
| 19:00 | 仕事終了。「今から帰る」と連絡 | 帰宅を予定にする |
| 19:10 | 店を通らない道へ移動 | 引き金から離れる |
| 20:00ごろ | 帰宅して夕食 | 空腹と疲れを先に整える |
| 21:00 | 風呂、翌日の準備 | 外出を終わらせる |
| 22:00 | 漫画、アニメ、音楽など | 短い楽しみを入れる |
| 23:30 | 就寝準備 | 6時起きでも睡眠時間を確保する |
予定通りに全部できなくても、店へ入らず帰宅できれば、その日は成功です。
店の駐車場まで来てしまった時の緊急対応
気づいたら店の近くまで来ていた。駐車場へ入ってしまった。そんな日もあります。
まだ打っていないなら、失ったお金は0円です。
- エンジンを切らず、または車を降りずに出口へ向かう
- 徒歩なら店の入口と反対方向へ歩く
- 家族や連絡できる人へ電話する
- 帰宅ルートをナビへ入れる
- 帰宅後に「駐車場まで行ったが打たなかった」と記録する
店の近くまで行ったことより、そこから帰れたことを記録してください。
入店してしまった場合も、「せっかく来たから」「もう打ったから」と閉店まで続ける必要はありません。使った金額と時間を確認し、その時点で切り上げます。
最初は7日間だけ、仕事後の行動を記録する
一生やめる決意より、まず平日を一週間帰る方が具体的です。
| 記録すること | 記入例 |
|---|---|
| 仕事が終わった時刻 | 19:05 |
| 打ちたい気持ち | 7/10点 |
| 引き金 | 仕事で嫌なことがあった |
| 使った対策 | 道を変更して家族へ連絡 |
| 帰宅時刻 | 20:00 |
| 使わずに済んだお金 | 10,000円 |
| 就寝時刻 | 23:40 |
打ちたい気持ちが0点になるのを待つ必要はありません。
7点のままでも家へ帰れたなら、気持ちではなく行動を変えられています。
「少しだけなら」をやめる
仕事帰りは閉店までの時間が短いため、「休日ほど使わない」「長時間にならない」と考えやすくなります。
でも、時間が少ないからこそ、焦って追加投資をしたり、負けたまま帰れず閉店近くまで打ったりすることもあります。
僕の場合は、19時から0時ごろまで約5時間を使い、帰宅後の睡眠まで削っていました。
少しだけのつもりでも、失うのは店内にいた時間だけではありません。
- 店までの移動
- 帰宅後の遅い食事
- 短くなった睡眠
- 翌日の疲れ
- 使ったお金を考える時間
一回の勝ち負けではなく、翌朝まで含めて考える必要があります。
一人で帰れない日が続くなら、相談先を使う
道を変えても店へ向かう。生活費や借金へ手をつける。家族へ嘘をつく。仕事や睡眠よりギャンブルを優先する。
この状態が続くなら、意志の問題だけにしないでください。
消費者庁は、ギャンブル等依存症を、のめり込んでコントロールできなくなる精神疾患の一つと説明しています。一方で、適切な治療や支援によって回復は十分可能と案内しています。
よくある疑問
遠回りしても、別のパチンコ店へ行ってしまう
ルート変更だけで足りない場合は、所持金、情報、連絡、帰宅後の予定も組み合わせます。
一つの対策に全てを任せず、店へ着くまでに複数の壁を作ります。
仕事のストレスを何で解消すればいい?
最初から一生続く趣味を探す必要はありません。
夕食、風呂、散歩、漫画、アニメ、音楽、睡眠など、短時間で頭を休められる行動をいくつか試します。楽しい活動だけでなく、睡眠を取ることも立派な代替行動です。
一度仕事帰りに打ったら、全部やり直し?
全部が無駄になるわけではありません。
その日の引き金、使った金額、店へ向かった道を記録します。翌日は、同じ引き金へ別の対策を追加して、また帰宅します。
まとめ|19時からの予定を、パチンコより先に決める
以前の僕は、朝6時に起きて19時まで働き、その後にパチンコへ行っていました。
家へ着くのは日付が変わるころ。食事と風呂を済ませて2時に寝て、また6時に起きる生活でした。
仕事帰りのパチンコを止めるために必要なのは、疲れた自分を毎日説得することではありません。
- 店の前を通らない
- 打てるお金を持たない
- 夕食と帰宅後の予定を決める
- 仕事が終わったら誰かへ連絡する
- 欲求が弱まるまで別の行動で時間を稼ぐ
仕事が終わったら、まず家へ帰る。
その一回ができれば、以前なら失っていたお金と5時間、そして翌朝の体調を守れます。
最初から一生を考えなくて大丈夫です。今日は店へ入らず、家まで帰ってください。

